キャッシング体験談
大手キャッシングサービスはどういう取り立てのやり方をするの?
大手の業者の取り立ては、極めてまともです。
大手だけでなく、中小でも同じ。
まともでないのは「ヤミ金」だけです。
ここでは、その「まともな取り立て」が「どういう風に進んでいくか」を書きます。
【目次】
1.大手キャッシング業者の取り立て方法
└1-1.取り立てが進む流れ
└1-2.『支払督促申立書』に返事した場合…裁判(和解)
└1-3. 『支払督促申立書』に返事しなかった場合…強制執行(債権回収)
2.『支払督促申立書』とは?詳しい解説
└2-1.どういう内容か、届いたらどうすればいいか
└2-2.二度目に届く『仮執行宣言付支払督促申立書』とは?
└2-3.身に覚えがない『支払督促申立書』が届いたら?
3.まとめ
└法的な手続きに、面倒くさがらずに向き合うこと
1.大手キャッシング業者の取り立て方法
1-1.取り立てが進む流れ
(1)電話・郵便による取り立て
一般的な督促。ここまでは多くの人が経験します。
(2)裁判についての書類が来る
取り立てに応じない場合『支払督促申立書』という書類が来ます。
- 書類に返事する→裁判所で和解
- 書類を無視する→強制執行(差し押さえ)
となります。
ここから先は、この書類に「どう対応するか」で変わります。
1-2.『支払督促申立書』に返事した場合…裁判(和解)
返事というのは、正式には「督促異議申し立て」と言います。
つまり「裁判に応じるので、強制執行はしないで下さい」ということ。
こういう返事をすると、そこからは「裁判の準備」。
裁判所から「○月○日裁判所に来い」という「呼出状」が来ます。
裁判では「借金を減額してくれたら、3年で支払う」というような交渉をします。
これを業者が飲んだら「和解」が成立。
和解できなかったら、あなたが強制執行を受けます。
ただ、強制執行をしても業者は全然お金を取れないので、大抵は和解に応じます。
1-3.『支払督促申立書』に返事しなかった場合…強制執行(債権回収)
この場合、強制執行です。
あなたの「貯金・給料」が差し押さえられます。
- 貯金…全額
- 給料…手取りの4分の1(税金・保険料などを引いた後の4分の1)
これらが業者に取られます。
この作業は「債権回収会社」という「督促・差し押さえ専門」の会社が実行。
この業者もヤクザのような会社ではなく、「国から指定された業者」です。
(指定された業者以外、債権回収はできません)
2.『支払督促申立書』とは?詳しい解説
2-1.どういう内容か、届いたらどうすればいいか
「支払督促申立書」の内容は、簡単にいうと下のようなもの。
「あなたには○○万円貸しています。一括で返してください」
で、当然返せません。なので「異議申し立て」をします。
(正確には『督促異議申立書』という書類を書きます)
この内容は下の通りです。
「一括は無理です。裁判で話し合いましょう」
で、裁判に入ります。
2-2.二度目に届く『仮執行宣言付支払督促申立書』とは?
1回目の「支払督促申立書」を無視すると、2回目の書類が届きます。
それが「仮執行宣言付支払督促申立書」。
長いですが、さっきの書類に「仮執行宣言」がついたものです。
この「執行」というのは「強制執行」のことです。
「この2回目まで無視したら、仮の強制執行をするぞ」
ということですね。つまり「さっきよりハードな書類」です。
強制執行は、お金はそんなに取られないのですが、職場の人にバレます。
給料を差し押さえるので、会社にその書類が行くのです。
「差押命令」というものです。内容は下の通り。
「あんたの社員の給料を差し押さえるので、毎月天引きお願いします」
こうなってもその会社に居続けるのは難しいです。
つまり「強制執行=失業」を意味します(大抵の場合)。
なので、強制執行は当然ですが避けましょう(失業以外は、実はあまり怖くありません)。
2-3.身に覚えがない『支払督促申立書』が届いたら?
実は「支払督促申立書を悪用した詐欺」があります。
これは法務省のサイトでも注意喚起されている、有名な手口。
なぜこれが詐欺に使えるのか、理由は下の通りです。
(流れで説明します)
・業者Aが「支払督促申立書」を出すと、裁判所もそれを知る
↓
・しかし「その話が本当か」は、裁判所はわからない
(そこに書かれている「Bさんの借金」が、事実かわからない)
↓
・なので、まずBさんに「支払督促申立書」を郵送する
↓
・で、Bさんの返事を待つ
(もし間違いだったら、Bさんが「異議申し立て」をするはず)
↓
・しかし、Bさんから返事が来なかった場合…
↓
・「支払督促申立書の内容は事実」と判断し、強制執行する
↓
・たとえ「借金の話がデタラメ」でも、この強制執行は確定
…ということです。
「裁判所が、詐欺師の片棒を担がされる」わけです。
■Bさんはどうすれば良かったのか?
Bさんは、こう言えばよかったのです。
「何だこの書類。俺は借金なんかしてないぞ」
…と、裁判所に返事すれば、それで解決でした。
(そして、詐欺業者は摘発されたでしょう)
しかし、こういう「身に覚えがない」「しかも何か怖い」書類が来ると、多くの人が「無視」してしまうのです。
仕事やプライベートでいろいろ忙しくて、考えている余裕がない、というのもあるでしょう。
だから、この手口が成立するんですね。
一度強制執行が決定すると、もう逃れることはできません。
『闇金ウシジマくん』の有名なセリフで「国の取り立てが一番ヤバい」というのがありますが、まさにその「国の取り立て」を食らってしまうのです。
知れば知るほど、恐ろしい手口です。
身に覚えがない「支払督促申立書」が来たら、すぐに対応してください。
3.まとめ『法的な手続きに、面倒くさがらずに向き合うこと』
法律や税金の話は、誰でも苦手です。
しかし、「支払督促申立書を無視して詐欺に遭う」ケースのように、こういう手続きを避けると、大抵損をします。
確定申告などもそうです。
たとえば私の父親はサラリーマンですが、確定申告をすると確実に50万ほど返ってくるのがわかっています。
でも、今年の確定申告をしませんでした。
「来年まとめてやればいい」と言っています(今年やれば、今年50万還付されたのに)。
こういう面でのみ、父は私の反面教師ですが、こういう人は多いです。
法律というのは、言葉が難しいだけで、内容はまったく大したことはありません。
これは自営業になると、多くの人が現場で学ぶことです。
自営業の人は、「法律や税金の話を避けると、どれだけ損するか」をよく知っています。
これは借金で困っている方も同じです。
こういう話題からは、逃げずに向き合うようにしましょう。
「自己破産が、実は全然デメリットがない」という事実もそうですが、法律を少し調べるだけで、多重債務者の方も、一気に有利になるのです。