銀行系カードローン基礎
しんきんカードローンを、銀行・消費者金融キャッシングと比較すると?
しんきんカードローンは、消費者金融並に金利が高いし、高額融資でも金利が下がらないのが短所じゃい。
すでに信用金庫を使っておる者のみが、借りるべきぜよ。
信用金庫の「しんきんカードローン」は、銀行カードローンや消費者金融のキャッシングと比較して、得なのかどうか。ポイントをまとめると、
- 「しんきんカード」か、「個別のカードローン」かで違う
- 「しんきんカード」は消費者金融並の金利
- 借入総額が大きくても、金利が下がらない
- 金利面では、消費者金融・銀行カードローンの方がいい
となります。そして「しんきんカード」でない、「信用金庫個別のカードローン」の場合は、「銀行カードローンと大体同じ」と考えてください。
信用金庫の個別のカードローンは無数にあり、条件も全然違うので、一概に書くのは難しいです。なので、ここでは「しんきんカード」について、銀行カードローン・消費者金融・クレジットカードなどと比較します。
金利は消費者金融とほぼ同じ
しんきんカードの金利は「借入総額が100万円未満」の場合、下のようになっています。
- ゴールド会員・プラチナ会員・しんきん法人カードF…15%
- その他の会員…18%
で、ほとんどの人は「その他の会員」に該当するのでしんきんカードの金利(実質年率)は「18%」ということです。で、これは「消費者金融と同じ金利」なんですね。
大手の消費者金融も、100万円未満のキャッシング総額の場合は、プロミスの「17.8%」を除けば、みんな「18.0%」となっています。
借入総額が増えても、金利が下がらない
で、しんきんカードの金利のデメリットは、借入総額が増えても低金利にならない、ということ。100万円以上~300万円の時も、「14.4%~15.0%」という金利なのです。
これだけ借りた場合、消費者金融だったら、金額ごとに下のような金利になります。
- 100万円以上…15%
- 200万円以上…12%
- 300万円以上…9%
あくまでこれらは「大体の目安」ですが、大体このように下がっていくわけです。銀行カードローンの場合、
- 100万円以上…12%
- 200万円以上…9%
- 300万円以上…7%
…というのが、基本的な基準です。どちらも大体の目安ですが、100万円~300万円まで借り入れば、これだけ金利が下がるということは共通しています。
それに対して、しんきんカードは「100万円~300万円まで借りても、14.4%までしか下がらない」ということ。これはかなりの「高金利」といえます。
高額借り入れをしない人には関係ないが…
もちろん100万円以上の高額キャッシングなど、する気がないという人にとっては、これは大したデメリットではないかも知れません。実際、総量規制のルールからいけば「100万円をキャッシングするには、年収300万円」は最低でも必要ということで、借りられる人は、少々限られているかも知れません。
(最近は、年収300万円未満の日本人も、かなり増えていますからね)
また、仮に年収300万円あったとしても、そもそも、キャッシングできっちり年収の3分の1まで借りられる、ということは少ないです。ある地方銀行のカードローンで審査担当をしていた女性によれば初めてのキャッシングの場合は「年収の10分の1が相場だった」ということで、「3分の1まで借りるのは、かなり難しい」ということがわかります。
実際、年収300万円の人でも最初のキャッシングは「年収の10分の1」の「30万円」で始まることが多く、この地方銀行のルールは、決して特別なものではありません。
…というように「100万円以上キャッシングすることは、そもそも珍しい」ので、しんきんカードローンの「100万円以上の借り入れでの金利が高い」というのは、大したデメリットではないかも知れません。あくまで「そのような高額キャッシングをする人にとっては、しんきんカードローンは不利」ということです。
しんきんカードローンの限度額は、やや小さめ
しんきんカードローンの借入限度額は、VISAの場合「最大300万円」と、やや小さめになっています。銀行カードローン・消費者金融の借入限度額と比較すると、
- 銀行カードローン…最大500万円~1000万円
- 消費者金融…最大500万円
というのが、一般的な最大融資枠になっています(大手の場合)。例外としては消費者金融の大手の1つ、ノーローンは「最大300万円」ということで、しんきんカードローンと同じ最大極度額になっています。しかし、それ以外のアイフル・アコム・プロミスなどの大手の消費者金融は、みんな「最大500万円」です。
というのと比較すると、しんきんカードローンの融資枠は「少々小さめ」と言えるでしょう。もちろんこれも、
- 300万円借りるには、「年収900万円」必要
- それだけ稼いでいる日本人は少ない
- だから、しんきんカードローンの上限「300万円」で十分
という考え方も成り立ちます。また、そもそも、300万円以上借り入れしたら、それは立派な借入超過者という指摘も成り立ちます。
ということで、「融資枠については、特に問題ない」ともいえますが、一応単純にスペックを比較すると、このような違いがあります。
しんきんカードの借入限度額の増額について
しんきんカードの借入限度額が増額される条件・方法は、銀行カードローンや消費者金融の場合と同様です。
- 遅れずに返済し続けること
- 一定期間利用していること(最低半年)
- 利用規約に違反していないこと
- 職業・属性の条件が一定以上であること
- ↑(どんなに遅れずに返済していても、低年収過ぎたり、職業が不安定過ぎたりしては、増額できない)
…というのが、増額の条件です。方法については、
- 信用金庫や業者・銀行の側からの連絡を待つ
- 自分で交渉する
- ↑(大手の消費者金融の場合、会員ページから申し込みできる)
という風になっています。基本的に自分から交渉しなくても、増額できるレベルになったら、業者・銀行側から進んでおすすめしてくるということが多いです。彼らとしては、「貸付残高を伸ばす=売上が伸びる」ということですからね。
(昔の一部の消費者金融や銀行カードローンは、ノルマも合ったくらいです)
ということで、しんきんカードローンでも真面目に返済していれば、それで自然と限度額は増額されます。高額キャッシングをできるようにしたい人は、焦らず地道に利用してください。
補足「信金のキャッシュカードに、借入機能がつく」
そもそも「しんきんカード」とはどんな仕組みかというと、
- 信用金庫の会員で、預貯金のためにキャッシュカードを使っている
- そのキャッシュカードに「キャッシング」の機能がつく
というものです。つまり「見た目は、普通の信用金庫のキャッシュカード」ということですね。銀行カードローンでいうなら「キャッシュカード兼用型」のローンカードと同じです。
このように「普段使っているキャッシュカード」でそのまま借り入れできるので「家族バレしにくい」というメリットがあります。
- 家族にローンカードを見られることもないし、
- ローンカードが郵送されてくることもない
…という2つの理由ですね。という点でも、家族に内緒でキャッシングしたい人にとって、しんきんカードローンはメリットがあるといえます。
まとめ「しんきんカードローンのメリット」
以上、しんきんカードローンのメリットをまとめると、
- すでに信用金庫のキャッシュカードを持っている場合、
- そのカードをそのまま使えるので、家族バレしにくい
- 金利は消費者金融と同じで、銀行カードローンより高め
- 100万円以上の借り入れでも、金利が下がらない
- そのため、金利についてのメリットはない
- あくまで「すでに信用金庫の利用者」のためのカードローン
…といえるでしょう。信用金庫の会員の方は、参考にしていただけたら幸いです。