キャッシング体験談
消費者金融の借金取り立てのルール 違反行為はどういうもの?
「実際に借りていて、取り立てを恐れている方」
「彼らの取り立てについて『違法ではないか?』と思っている方」
…のための記事です。以下、ポイントのみ書きます。
●消費者金融の取り立ては怖い?
全然。怖いのはヤミ金だけ。大手はどこも紳士的。
(国の指導が厳しいので)
●どういう行為が違法?
下のような行為です。
- 早朝や深夜の電話、訪問
- 1日5回を超える電話
- 自宅に3人以上で訪問
- 勤務先への訪問
- 暴力的な言葉、態度、大声
- 他人に借金の事実を知らせる
- 他人に請求する(家族含む)
- 債務整理が始まっても、取り立てをする
もしこれらの行為を業者がしていたら通報することも可能。
「あなたたちのやっていることは違法だ」と、はっきり言いましょう。
(そもそも、こういうことをするのはヤミ金なので、関わったこと自体がまずいのですが…)
●結構名の知れた会社にやられてるんですが…
そういう例もあるようです。(過去の武富士のように)
この場合、特に通報された時のダメージが大きいので、はっきり言いましょう。
中小の業者は、倒産しても人数が少ないので復活は簡単。
しかし、過去の武富士のような大手だと、行政処分を受けた時のダメージが甚大です。
だから、相手が名の知れた会社の時ほど、はっきりと言いましょう。
以下、詳しい説明です。
(ここからは「知識として」興味のある方向けです)
【目次】
1.貸金業法21条について
└1-1.禁止されている『違法な取り立て行為』
└1-2.ある消費者金融の取り立てマニュアル
2.違法な取り立てを受けた場合の通報のやり方
└2-1.それぞれの取り立てが、どの罪状に当たるか
└2-2.相談できる公的機関一覧
└2-3.取り立ての証拠を残しておく
3.まとめ
└返済しないのも非はあるが、法律違反には毅然と対処する
1.貸金業法21条について
1-1.禁止されている『違法な取り立て行為』
「貸金業法21条」の「取り立て行為の規制」という項目。
そこでは、下のような行為が禁止されています。
*以下「債務者」というのは「借りた人(お客さん)」のことです。
- 夜~早朝の取り立て(9:00~20:00)
- 債務者が「連絡を受けられない時間」に、連絡する
- 債務者の勤務先、自宅以外に連絡する
- 債務者を訪問した時、「帰れ」と言われても居座る
- 債務者の自宅や近所に、張り紙や立て看板をする
- 「他のローンから借りて返せ」と迫る
- 他人に「あいつの代わりに返せ」と迫る
- 他人に「債務者の居場所や連絡先」を聞き出す
- 債務者が債務整理を始めた後に、取り立てをする
- .これらの行為を「する」と宣言すること
…という内容です。もちろん、かなり噛み砕いて書いたもの。
実際には下のような「お堅い文面」です。
七 債務者等以外の者に対し、債務者等に代わつて債務を弁済することを要求すること。
これを口語訳すると、
「あいつの代わりに返せ」と迫る
…となります。簡単ですよね(笑)。
法律は「内容は簡単なのに、言い回しがムダに難しい」のです。
1-2.ある消費者金融の取り立てマニュアル
これは、複数の消費者金融のマニュアルを参考にしたもの。
「たとえばこんな風に、貸金業法が守られている」という例です。
(複数の会社のマニュアルを合成し、文言も変えています)
■電話関連
・電話は1日3回まで
・留守電に社名を残さない
■訪問関連
・自宅訪問は2名まで
・職場には訪問しない
・暴力的な言葉や態度は取らない(物で音を立てるのもダメ)
■日時関連
・電話や訪問は、午前9時~午後8時の間のみ
・盆正月や、震災などの被害を受けている時期に取り立てない
・「○日までに支払う」と言われたら、その日までは取り立てない
■その他
・郵便物に社名を載せない
・女性利用者が女性スタッフを希望している場合、女性が対応
・弁護士などが間に入り、債務整理が始まったら取り立てない
・他人(家族含む)には請求しない
・借金の事実を、他人に知らせない
…というものです。
あくまで例ですが「かなりソフト」ですよね。
ドラマや漫画の取り立てシーンは「あくまでヤミ金の取り立て」なので、実際にはあんなことはほとんどない、と考えてください。
2.違法な取り立てを受けた場合の通報のやり方
2-1.それぞれの取り立てが、どの罪状に当たるか
具体的にどの罪状に当たるのか知っていれば「これ以上、こういう行為をしたら通報します」と、自信を持っていえます。
以下のような、取り立て行為と罪状の組み合わせを、押さえておきましょう。
- 恐喝罪…大声を出す。乱暴な言動。嫌がらせ
- 強要罪…「他から借りて返せ」などの強要全般
- 住居侵入罪…勝手に自宅・職場などに入る
- 不退去罪…帰れと言っても居座る
- 器物損害罪…物を壊す、落書きする、隠すなど
- 業務妨害罪…職場に何度も連絡、訪問する
- 監禁罪…閉じ込めて、出られないようにする
たとえば「職場への連絡」が「業務妨害罪」というのは、知らなかった方も多いのではないでしょうか。
こういう知識があると、業者の違法な取り立てにも毅然と対処できます。
2-2.相談できる公的機関は?
主な公的機関は、下の2ヶ所です。
他にもありますが、まずはこれらの機関に相談しましょう。
・国民生活センター相談窓口
無料で電話相談に応じてもらえます。
http://www.kokusen.go.jp/map_tajuusaimu/
・法テラス
ここも無料で電話相談ができます。
弁護士・司法書士を紹介してもらうことも可能。
http://www.houterasu.or.jp/
2-3.取り立ての証拠を残しておく
証拠がなければ、当然彼らを訴えることはできません。
たとえば下のような方法で証拠を残します。
- 電話を録音する
- 暴力を受けたら、病院に行き診断書をもらう
- 壊された器物は残しておく
- 証人を用意する(特に職場への連絡など)
- ペン型録音機、撮影機などで映像・音声を残す
「ペン型録音機」などは、「そもそも、そんなお金がない」かも知れません。
ただ、自己破産を弁護士に依頼する場合なども「30万円ほど」かかります。
それに比べたら、数千円で買える録音機、撮影機などは、「本当に違法な取り立てを受けているなら」、使う価値はあります。
3.まとめ『返済しないのも非はあるが、法律違反には毅然と対処する』
返済しないのも、違法な業者から借りるような生活をしたことも、確かに非があります。
まず、自分の非は、当然ですが認めましょう。
その上で、「それはそれ、これはこれ」という気持ちを持ちましょう。
「返済が遅れる」というのは「法律違反」というほどではありません。
しかし、違法な業者がやっていることは、間違いなく法律違反。
これを放置するのは、「日本の治安が悪くなる」ということで、「すべての人にとってマイナス」な状態。
だから、毅然と対処していいのです。むしろ、しないといけません。
一人では心細い場合、「国民生活センター」「法テラス」などにも相談しましょう。
それだけでもだいぶ気が楽になります。